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明峰生となった76名の門出を祝して  〜学校長式辞〜

校⻑だより

小樽にもようやく春の息吹が感じられるようになりました。本日入学された皆さん、そしてご家族の皆様、ご入学おめでとうございます。こうして入学式ができますことは、本校にとっても大きな喜びです。小樽明峰高校教職員一同、心よリ歓迎いたします。

思い起こせば一年前、新型コロナウイルスが世界中に広がり、皆さんにとって中学最後の一年間が大きく変わりました。休校で家庭学習、友達に会えない、勉強や部活動が思うようにできない。行事や見学旅行、中体連や中文連の大会が縮小または中止されて、悔しい思いをされた人もたくさんいらっしゃったと思います。

私たち明峰高校の生徒も教職員も同じ思いでこの一年を過ごしました。こうした時代だからこそ、これからは、何事も諦めずに今できることを発見し、挑戦していくことが大切だと思います。入学生の皆さんには、この明峰高校を舞台として、色々な人と関わり、学び、多くの経験を積んで、高校生活で飛躍してほしいと願っています。

ここにいる皆さんのほとんどは、本校の学校説明会に参加されました。高校生活への希望や目標を話してくれた人もたくさんいます。また、自分の抱える悩みを話してくれた人もいました。勉強が苦手、友達や先生とうまく付き合えなかった、学校に通えなくて辛かったことを話された人もいました。そして、面接試験では入学の決意を伝えてくれました。この中には、様々な辛い経験をされて今、やっとの思いで入学式を迎えている人がいるということが痛いほどわかります。

皆さんは自分の意志でこの明峰高校を選びました。これからは、本校の特色のひとつである「少人数学級で一人一人を大切にする学級づくり」のメンバーに加わります。社会で働く人と実際に関わりながら学んでいく「社会体験学習」にも取り組んでいきます。JRやバス、地下鉄で通学される人もたくさんいます。ここから皆さんを見ていますと、ひとりひとり入学の決意が伝わってきます。そんな皆さんの決意をたくさん感じることができ、とても嬉しく思います。この決意を明峰高校は応援していきます。同時に、明峰高校を選んでくれてありがとうという気持ちでいっぱいです。

さて、皆さんと同じようにかつて本校に入学した一人の生徒を紹介します。彼女は、小学校でたくさんの男子から「バイキン」と呼ばれ、いじめられていたそうです。そのトラウマから中学校では、人と話すことが怖くて友達を作れず、孤立し、とうとう学校に通えなくなってしまいました。そんな彼女がこの明峰高校を選びました。入学式、彼女は緊張と不安でいっぱいでした。たまたま、自分の前の席の人に名前を確認するため話しかけたことがきっかけで、友達ができました。「自分から話しかけることができて良かった。話すことって大事なんだ。」と彼女は実感したそうです。その時から徐々に不安が消えていきました。「今までの自分には考えられないことだけれど、早く学校に行きたい。」と思ったそうです。この彼女は今、明峰高校の三年生、皆さんの先輩として在籍しています。どんな高校生活を送っていると思いますか。彼女は、心配性の性格を長所に変えて、人助けの仕事がしたいという目標を見つけました。今、看護師を目指して毎日勉強に取り組んでいます。

一歩、たった一歩踏み出すことで、高校生活はいくらでも変えられるということです。入学生の皆さん、不安でもいい、ゆっくりでいい、夢を見つけてください。少しでもいい、友達や先生に夢を語ってください。そして遠回りでもいい、自分を信じて夢に向かって一歩踏み出してください。明峰高校は、皆さんを見守り、励まし、背中を押します。一緒に一歩を踏み出しましょう。

最後に保護者の皆様、ご入学おめでとうございます。これから、お子様の体験ひとつひとつを、私たちと共に励ましながら成長を見守っていこうではありませんか。本校への温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。本日の皆様との出会いを祝しまして式辞と致します。

令和3年 4月10日
学校法人 共育の森学園 小樽明峰高等学校
校長 石澤 隆一

 

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